株式会社サンエスライン
住 所:唐津市千代田町
業 種:卸小売業
従業員:17 名

企業概要と背景
サンエスラインは小売および卸売業を中心に事業展開しており、現在の売上は約8億円、従業員数は20名弱です。特に輸入業務に注力しており、国内外からの商品調達を行っています。業務の効率化とスピードを重視し、多様な商品ラインナップを提供することで、顧客のニーズに柔軟に対応しています。これまでの実績と市場に対する迅速な対応力が競争力の源泉です。
DX相談の背景と課題
DXの推進を目指していましたが、どのツールが自社にとって適切か判断しにくい、また情報の統一が困難などの課題がありました。様々なデジタルツールの導入を試みましたが、システムが統一されていないため効果が限定的でした。単なるツール導入に留まらず、組織全体のDXを進めることが求められていました。
DXの目的と導入プロセス
DX の導入目的は、業務効率化や売上向上、セキュリティ強化などです。九州大学TLO補助金事業との連携により、DXマーク認証(※1)を取得するなどの支援を受け、デジタル環境の整備を進めました。また、セキュリティ研修や個人情報保護に関する教育を従業員に実施し、スキルの向上にも努めました。導入プロセスでは、まず現状の課題を洗い出し、その後、必要なツールやシステムを導入していく計画的なアプローチが取られました。
サポーティング企業
DX 導入に際しては、株式会社フォーバルから技術支援やツール導入のサポートを受けました。また、経済産業省のDX認定においても全面的な支援を受け、DX認定取得に成功しました。導入後は、ノウハウを基に社内体制の強化や運用の改善が行われました。技術支援企業とのパートナーシップが、DX推進において大きな役割を果たしました。
成果と効果
DX 認定を受けたことで、顧客からの信頼が高まり、売上は約20%向上しました。また、業務のデジタル化により、一人当たりの生産性が向上し、労働力の削減にもつながっています。会議の議事録や業務進捗の可視化など、デジタルツールの活用が進み、業務の透明性も向上しました。これにより、社員が自発的に改善提案を行う風土が醸成され、さらなる効率化が期待されています。
社内の変化
DX 導入後、従業員のスキルが向上し、働き方にも変化が生じました。セキュリティ関連の社内研修も多く実施され、社員一人一人の個人情報の扱いについての理解が深まりました。また、リモートワーク環境の整備により、柔軟な働き方が可能となりました。これにより、社員のモチベーションも向上し、仕事への取り組み方が前向きに変わりました。従業員間のコミュニケーションも改善され、チームとしての連携が強化されています。
成功要因と今後の展望
成功の要因は「失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢」にあります。バッターボックスに立ち続けるような意識で、失敗を恐れず新しいことに挑戦してきたことが成功の鍵です。今後は守りを固めつつも、新たな市場への進出や事業の拡大を目指しています。市場変化に迅速に対応しつつ、社内外のリソースを活用しながら成長を図ります。特にデジタル技術の活用による新規事業の創出にも期待が寄せられています。今後、さらなる成長を目指して守りと攻めのバランスを保ちつつ、持続可能な成長を実現していく考えです。将来的には、海外市場への輸出も視野に入れており、新しいビジネスチャンスの獲得を目指しています。地元企業との連携を強化し、地域経済への貢献も視野に入れた戦略を展開する予定です。また、社員教育にも積極的に投資し、人材の育成を通じて、長期的な競争力の強化を図ります。
DX マーク認証(※1) 「DXマーク認証制度」とは、国が策定した情報処理促進法及び個人情報保護法、不正競争防止法に則り中小企業のDX化を推し進めるべく、必要な対応項目を網羅し、認証する制度です。