株式会社一番館
住 所:唐津市呉服町
業 種:小売業
従業員:6 名

企業概要と背景
創業75年の歴史を持つ当社は、伝統工芸「唐津焼」を販売する会社で、現在は2代目の社長が6名の社員と共に、長年培ってきた伝統を守りながらも時代に即した革新を目指し日々奮闘しています。 唐津焼の魅力を全国に届けるべく、ECサイトの活用にも注力していますが、思うような成果が得られないという課題に直面していました。
DX相談の背景と課題
ECサイトの売り上げがこの20年で伸び悩んでおり、さらにはコロナ禍による影響で人手不足が深刻化。 デジタル技術を活用して、これらの課題を解決し、事業の拡大と効率化を図る必要がありました。そのため、唐津市DXイノベーションセンターへDXの相談を行い、具体的な改善策の検討に入りました。
DXの目的と導入プロセス
曖昧だった数値目標を可視化することにより、社員一人ひとりが目指すべきゴールが明確になり、具体的な行動指針が定まりました。 これにより、業務のモチベーションが高まり、経営の方向性もブレずに進めるようになりました。
成果と効果
SNS施策の成功によって、インスタグラムのフォロワーが4000人から4500人へと増加し、売上も昨年比120%の成長を記録しました。 これにより、経営の安定化と更なる成長の足掛かりが築かれました。
社内の変化
これまで外部に依頼していたSNS運用を自社スタッフで行うように切り替え、定例会の開催を通じてスキルアップを図りました。 これにより、社員がより積極的に業務に関わるようになり、職場の一体感も強まりました。
成功要因と今後の展望
数値の可視化によって経営意識が向上し、具体的な売上目標を設定することで社員全員の意識が変わりました。
今後は越境ECの強化や、唐津焼のブランディングを推進し、海外市場への進出を目指します。
また、地域社会や社員と共に成長し、より価値ある商品とサービスを提供することで、顧客や取引先の期待に応えていきます。
さらに、地域との連携も強化し、唐津焼という地域資源を最大限に活用することで、地元経済への貢献も視野に入れています。
観光需要の回復を見据えたインバウンド対応や、イベント開催などを通じて唐津焼の魅力を国内外に発信していくことが目標です。
これにより、地域全体の活性化にもつながることを期待しています。
また次のステップとして、顧客のニーズに応じた商品開発や顧客満足度の向上に取り組んでいく予定です。
また、デジタル技術を駆使した効率化や、AI を活用したマーケティング施策の導入も検討しています。
これにより、社員の働きがいを高めつつ、持続可能なビジネスモデルの確立を目指します。
社内の理解力・習熟度向上にも引き続き力を入れ、社員一人ひとりが成長できる環境を整えることで、今後も地域をリードする企業としての役割を果たしていきます。
これからは「唐津焼」という伝統の枠を超え、現代的なデザインや技術との融合を進め、次世代の市場に向けた新たな価値創造に挑戦していきます。 例えば、若手アーティストとのコラボレーションや、AIを活用した需要予測を行い、よりお客様の趣味趣向に合わせた商品展開を目指します。 これにより、唐津焼の新しいファン層を開拓し、国内外でのブランド価値の向上を図るとともに、地方創生の一翼を担う企業としての存在感を高めていきます。 地域文化を次世代へと継承しながら、デジタルの力で伝統を未来へ繋ぐ挑戦は続きます。