こんにちは! 唐津市DXイノベーションセンター(以下「KDIC」)です。
「資金は欲しいが、株式を手放したくない」――そんな声がスタートアップ経営者の間で広がっています。
事業を成長させるための新しい選択肢として注目されているのが、「ベンチャーデット」と呼ばれる資金調達の代表的な一つの手法です。
これまで株式発行やIPO(新規株式公開)に偏っていたスタートアップの資金調達に変化が見られ、大手銀行や地方銀行など金融機関が相次いでこの分野に取り組みを広げています。
株式に頼らず、成長企業へ資金を届ける動きが本格化しています。
💴ベンチャーデットとは何か?
ベンチャーデットとは、未上場の成長企業に対して行われる融資の一種です。
通常の銀行融資のような担保を必要とせず、株式発行による持株比率の希薄化を避けながら資金を調達できるのが特徴です。
貸し手(主に銀行や投資ファンドなど)は、融資リスクを補うために「新株予約権(ワラント)」を同時に受け取ることがあります。
これは、企業が上場や成長を遂げた際に株式を取得できる権利であり、融資の返済とは別に成功報酬としてリターンを得る仕組みです。
そのため、ベンチャーデットは「融資+オプション報酬型」の資金供給手法として位置づけられています。
🤑 スタートアップがベンチャーデットを取り入れるメリット
スタートアップにとって最大の利点は、既存株主の持株比率を保ちながら資金を確保できることです。
新株発行による経営権の希薄化を避けつつ、研究開発や事業拡大のための資金を調達できる点が支持されています。
また、赤字段階にある企業でも、事業の成長性や市場性を評価する審査モデルにより融資を受けられるケースが増えています。
近年では審査や実行スピードが向上し、数週間以内に融資が実行されるケースも出てきました。
資金繰りを安定させ、次の資金調達ラウンドやIPO準備の期間を支える手段として、株式調達と併用する動きが広がっています。
🗺️日本の資金調達構造が転換期に
国内のスタートアップ資金調達に占めるベンチャーデットの割合は、依然として数%程度にとどまっています。
しかし、2024年の新規供給額は前年比7倍の約4億6900万ドル(約700億円)に達し、拡大の兆しが鮮明です。
背景には、VC(ベンチャーキャピタル)による株式投資の停滞や、IPO市場の低迷があります。
こうした環境下で、大手銀行や地方銀行がベンチャーデットを通じた融資・ファンド運営を強化する動きが広がっています。
今後は、貸し手と借り手がリスクや契約条件(コベナンツ)について相互理解を深め、持続的な金融エコシステムを築けるかが鍵となります。
株式依存からの転換期にある日本のスタートアップ資金調達は、まさに“多様化の時代”を迎えています。
唐津で“やってみたい”を“やってみた”に🌱皆さんの挑戦を、私たちが伴走します💪✨
唐津市DXイノベーションセンター
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※本記事は報道内容を参考に、当社が独自に分析・再構成したものです。
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※出典:2025/11/10 日本経済新聞「ファンド経由の新興融資、証券・大手銀行が参入 拡大期の管理課題に」

